横内由可連載第6回 「太らない体を手に入れる」 元体操女子日本代表が明かす体重調整法

 横内由可と申します。現役時代は体操、クレー射撃と2種目で日本代表として国際大会に出場していました。今回は女子体操選手の体重調整について書かせていただきます。

 

 年末年始にかけて会食の機会が増えるこの季節。体重増加は仕方がないとあきらめてしまっている方も多いかと思います。様々なダイエット情報があふれる中、今回は私が体操の現役時代から実践してきた体重調整法の基礎編をご紹介させていただきます。

 

 一般的に体操選手の体重調整と聞くととてもハードなイメージがあるかもしれませんが、基本は体重の変化を小さくするということが最も大切になります。私たちは練習の前後に体重を計り記録をしていました。前日の練習前と当日の練習前の体重が500g以上増えていると体重が落ちるまで練習をさせてもらえませんでした。理由はケガをする危険性があるからです。実際、500g近く体重が増えている日に段違い平行棒の離れ技をおこなったところ、体の重さによる回転の悪さやバーを掴んだときの衝撃の強さに恐怖を感じた経験があります。繊細な体重調整が必要なのはこのためです。もちろん見た目の問題もありますが、少々太めでも筋力があればパワフルな演技で魅了することもできるので、個々でベストの体重は異なってきます。

 

 お勧めは毎日体重を計り記録することです。この利点として、日常生活で動いているときの体の重さやお腹周りの張り感などで徐々に今の自分の体重がどれくらいかわかるようになってきます。この「自分の体にしっかり意識を向け、体重をコントロールできるようになること」が最優先事項となります。もちろんこの感覚を身につけるまでは少し時間を要します。早い方で2、3ヶ月かかるでしょう。

 

 パーソナルトレーナーとしてお客様の生活についてお話を聞かせて頂くと、やせたいにもかかわらず体重計には乗りたくないと現実逃避をしている方が多くいらっしゃいます。これでは軸となるものが全くなく、体重調整は不可能です。体重と体の感覚を自分自身の中でしっかりと結びつける必要があります。

 

具体的なご提案としては、

1. 毎日朝晩体重を計り、記録をする。
2. 現在の平均体重を基準体重として、体重の変化を500g以内にする。
3. もし500g以上増えた場合は翌日の食事で調整する。

以上の3点となります。目先の目標として来年の春まで今の体重から500g以上増加しないようにチャレンジしてみて下さい。

 

 今回の基礎編でご紹介した方法は他のダイエット法と違ってとてもシンプルです。重要なのは同じ体重を維持し続けること、基礎を身につけるための「太らない体づくり」の要となる感覚を作り上げることです。焦らず、じっくり時間をかけて身につける堅実な体重調整法をぜひお試し下さい。

f:id:imp0201:20181205111147j:plain

 

横内由可(よこうち・ゆか) 1977年3月21日、東京都生まれの41歳。 9歳で器械体操を始める。13歳の時に朝日生命体操クラブへ。すぐに全日本選手権大会で個人総合7位入賞を果たし、高2年時にインターハイで個人総合2位に。同年にドルトムント世界選手権に出場し、段違い平行棒の降り技で新技D難度の「ARAI」が誕生。技に自分の名前を持つのは日本女子体操史上3人目の快挙だった。18歳で異種目のクレー射撃へ転向。日本代表で活躍し、02年の釜山アジア大会では団体で銅メダルを獲得。現在は異色の経験を活かし、トップアスリートの人生を応援する「トップアスリート・コンシェルジュ」、パーソナルトレーナーやスポーツコメンテーターなど幅広く活動している。