横内由可連載第2回 朝日生命体操クラブの教え子が語る 塚原千恵子本部長の「実像」とは

 新井由可と申します。朝日生命体操クラブには小学6年から高校3年までの約7年間所属しており、体操、クレー射撃と2種目で日本代表として国際大会に出場していました。宜しくお願い致します。

 

 体操女子の「パワハラ問題」が新たな展開をみせ、現在、日本体操協会の塚原光男副会長、塚原千恵子強化本部長が騒動の渦中に立たされています。色々な情報が駆け巡っていますが、私は今現在体操界とは無関係であり、冷静な目でこの問題をみている立場から、知っている限りの全ての情報をこの場をお借りし、卓上に広げさせていただきたいと思います。

 

 私は地元の体操クラブに通っていた小6の時に「もっとうまくなりたい」と朝日生命体操クラブに入門し、わずか1年で全国7位に入賞することができました。当時、現場の指導は塚原千恵子コーチがメインでまぎれもない事実として、その指導力はトップクラスでした。この指導力と共に強く感じていたことは、選手たちは塚原千恵子コーチの傘に守られていたということです。これは体操を引退してクレー射撃に転向してから気づいたことですが、何のストレスもなく競技に集中できたのは塚原千恵子コーチがその環境を完璧に作り上げて下さっていたからです。

 

 

体操に対する情熱は凄かったです。私も厳しいことを言われたことは何度もありました。気持ちが熱いため、口調もきつくなる事も度々ありましたが、その受け取り方はコーチと選手の関係性により様々であったと感じます。この様な性格ですから一度摩擦が起ると修復が難しいという面もあるようです。今回の件で複数の関係者に話を伺ったところ、内部では塚原夫妻辞任を望んでいる声も多く出ているとのことでした。そして、宮川選手に「家族でどうかしている。宗教みたいだ」と発言したことが問題になりましたが、今振り返ると正直、朝日生命体操クラブも宗教みたいでした(笑)。

 報道で色々な情報が流れているのですが、「昔から朝日生命体操クラブは他のクラブの選手を引き抜いている」と体操関係者が語っているのを見ました。20年以上前の昔の話ではありますが、私が朝日生命体操クラブに所属していた7年間で引き抜かれて来たなどという選手はひとりもいませんでしたし、塚原夫妻が他のクラブの選手に声をかけている姿も一度たりとも見たことがありません。私も含め、他のクラブから移ってきた選手は皆自分の意思で「トップレベルの環境でやりたい」と入ってきていました。

 

 以上が私の知っている事実となります。日本体操協会も第三者委員会を立ち上げ、新たに生まれ変わろうと動き出しました。私は日本の器械体操の一ファンとして、今回の問題に関心を持ってくださった皆様と共に東京五輪の成功に向けて今後の行方を見守りたいと思います。

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横内由可(よこうち・ゆか) 1977年3月21日、東京都生まれの41歳。 9歳で器械体操を始める。13歳の時に朝日生命体操クラブへ。すぐに全日本選手権大会で個人総合7位入賞を果たし、高2年時にインターハイで個人総合2位に。同年にドルトムント世界選手権に出場し、段違い平行棒の降り技で新技D難度の「ARAI」が誕生。技に自分の名前を持つのは日本女子体操史上3人目の快挙だった。18歳で異種目のクレー射撃へ転向。日本代表で活躍し、02年の釜山アジア大会では団体で銅メダルを獲得。現在は異色の経験を活かし、トップアスリートの人生を応援する「トップアスリート・コンシェルジュ」、パーソナルトレーナーやスポーツコメンテーターなど幅広く活動している。