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横内由可連載第9回 元女子体操日本代表が塚原夫妻の「パワハラ無罪」で胸中を激白

 横内由可と申します。現役時代は体操、クレー射撃と2種目で日本代表として国際大会に出場していました。今回は今年の夏に発覚した体操女子のパワハラ問題のその後について書かせていただきます。

 

 既にインターネットやテレビ等でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、日本体操協会は今月10日に臨時理事会を開き、宮川選手を巡る塚原夫妻のパワハラ問題に関する第三者委員会の調査結果を発表。第三者委員会は塚原夫妻による宮川選手へのパワハラを認定せず。これを受けて日本体操協会は塚原夫妻の一時職務停止を解き復職することになりました。

 

 日本体操協会が第三者委員会を立ち上げてから約3か月。私は1日も早く何らかの結論が出ることを静観しておりました。私の個人的な見解としては、今回の結論は妥当な着地であるということ。そもそも今回の問題は速見コーチによる宮川選手への暴力行為が体操協会内で問題視され、塚原女子強化本部長がその件について本格的に動き出したことから始まっています。速見コーチが宮川選手の頬に平手打ちをしている動画が出回っていましたが、あれは誰が見ても明らかな暴力行為です。しかし今回の問題は途中から塚原夫妻による宮川選手へのパワハラ問題へと移っていきました。そもそも速見コーチの暴力行為が無ければ今回のように世間を騒がす大きな問題に発展することはなかったわけです。

 

 そして、塚原夫妻のパワハラは認定されなかったとはいえ「不適切な点は多々あった」とありました。塚原夫妻は長年体操界で活躍された方々ですから自然とそのたたずまいに重みが出てくることは当然かと思います。私も「朝日生命体操クラブ」に所属していた現役時代は指導者だった塚原夫妻と話す際、毎回とても緊張したことを覚えています。朝日生命に所属していた私でもそうですから、他のクラブの選手にとっては威圧的と感じることもあるかもしれません。その点は塚原夫妻が協会役員として選手と接するときの今後の重要な課題といえるでしょう。

 

 「パワハラ」は近年話題に上がることが多くなった非常に繊細で難しい問題です。日本体操協会は試行錯誤しながら今回の問題の解決、そして今後の改善に向けて動いているところです。正直、第三者委員会が弁護士5名で構成されたことなど違和感を覚える点もありますが、だからといってこれで完璧という方法はないと思います。体操界を取りまとめている日本体操協会が出した結論に従うことがその世界に携わる人々のルールであると思います。皆がそれぞれ勝手に行動をしたら何のための協会という組織かわかりません。

 

 体操ファンとしては宮川選手にはSNSで個人的なメッセージを上げる時間も惜しんで、もっと競技力向上に集中していただきたい。高須クリニックの高須院長という力強い支援者を味方につけたわけですから、煩わしいことは弁護士の先生にお任せして東京オリンピックに向けて全力を尽くしていただきたいと願ってやみません。引き続き体操界の発展を願い、見守らせていただきたいと思っております。

 

 

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横内由可(よこうち・ゆか) 1977年3月21日、東京都生まれの41歳。 9歳で器械体操を始める。13歳の時に朝日生命体操クラブへ。すぐに全日本選手権大会で個人総合7位入賞を果たし、高2年時にインターハイで個人総合2位に。同年にドルトムント世界選手権に出場し、段違い平行棒の降り技で新技D難度の「ARAI」が誕生。技に自分の名前を持つのは日本女子体操史上3人目の快挙だった。18歳で異種目のクレー射撃へ転向。日本代表で活躍し、02年の釜山アジア大会では団体で銅メダルを獲得。現在は異色の経験を活かし、トップアスリートの人生を応援する「トップアスリート・コンシェルジュ」、パーソナルトレーナーやスポーツコメンテーターなど幅広く活動している。