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昨季限りで現役引退 社会人野球退部からプロ野球選手の夢を叶えた男とは

 プロスポーツトレーナーの高橋塁です。今回の連載記事は、昨年限りで現役引退したDeNAの西森将司選手を取り上げさせて頂きます。

 

 私が彼に出会ったのは、彼が20歳の時です。北照高校時代は加登脇卓真さん(元巨人)とバッテリーを組んでいました。高3の夏は南北海道大会決勝でこの年に全国制覇する田中将大投手がエースだった駒大苫小牧に敗退し、甲子園出場はなりませんでした。

 

 卒業後は社会人野球のホンダに入社。2年間プレーしましたが退部し、プロ野球選手になる夢をあきらめきれず、伊藤秀範さん(ホンダ―香川オリーブガイナーズ―ヤクルト)の薦めもあり、四国アイランドリーグplusの香川オリーブガイナーズのトライアウトを受けることに。当時、私は香川のトレーナーをしていて彼に初めて出会いました。

 

 足も速く、どこでも守れそうな運動能力抜群の選手というのが、第一印象でした。トライアウトに合格し、香川OGに入団しましたが、1年目はレギュラー定着できず、左打ちに挑戦したりといろいろと自分の生きる道を試行錯誤していました。社会人野球を経験していたこともあり、トレーナーの私に対する要求は高く、意識の高さはチーム一でもありました。

 

 2年目以降は努力が実り、香川で捕手のレギュラーを勝ち取り、11年ドラフトでDeNAに育成枠で指名されました。私は前年にDeNAに入ったので、彼の入団に喜びも大きかったです。プロ入り後も持ち前の意識の高さで、入団2年目には支配下登録され、1軍初打席、初安打、初打点を記録しました。その後に捕手でありながら俊足であったために代走起用されることもありました。

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 2軍で好成績を残しながら、1軍になかなか上がれない日々もありましたが、自分の生きる道を常に模索する姿勢は本当に目を見張るものでした。昨オフに戦力外通告を受け、現役引退。NPBの8年間で1軍で通算38試合出場でしたが、彼が野球選手として歩んできた道のりは特筆すべきものがあり、私自身がアマチュア選手に最も伝えたい野球選手の一人です。彼にしか伝えられない経験はあると思います。今後の活躍が楽しいですね。

高橋塁(たかはし・るい) 香川県出身。理学療法士、NSCA認定CSCS、JATI認定トレーニング指導者。理学療法士免許を取得後、07年から香川オリーブガイナーズでトレーナー、10年から横浜DeNAベイスターズでトレーナーを務める。16年よりプロスポーツトレーナーとして独立。徳島大学医学部博士課程に在籍し、スポーツ障害の研究を続けているほか、中高校生のアスリートを中心にトレーナー業を行っている。