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「近所迷惑」と怒られた壁当て…引退発表したムードメーカーの実像とは

 プロスポーツトレーナーの高橋塁です。先日、ヤクルトの三輪正義選手の引退が発表されました。彼は四国アイランドリーグの1期生になります。現役NPBの選手で四国アイランドリーグ1期生は彼のみでしたので、一つの歴史が幕を閉じました。

 

 私が同リーグの香川オリーブガイナーズでトレーナーとして所属していた時に、彼が入団してきました。地元・山口の下関中央工業高校を卒業し、地元企業で軟式野球部に所属。仕事と野球の両立をしていました。その後、同リーグ元年のトライアウトに合格し、香川に入団しました。入団当初より脚力はチームトップレベルでしたが、打力、送球に不安があり、打順も1,2番や下位、守備も内外野どのポジションもこなしていました。独立リーグ3年間で通算打率236、0本塁打と打撃で際立っていたわけではなかったですが、盗塁数は90個と脚力はNPBレベルでした。そして、どんな凡打でも1塁までの全力疾走、守備位置までの全力疾走はプロのスカウトも見ていたのでしょう。

 

 今だから笑い話になりますが、独立リーグ時代に住んでいたアパートで毎晩壁当ての守備練習をするのが日課でした。近隣に幼い子が住んでいることもあり、当時、同僚の森田丈武君(元楽天)には「近所迷惑だ」とよく怒られていました。球場からグランド整備のトンボを借りてきて、素振りをする姿もよく見ました。このトンボはNPBに彼が巣立った後、私が球場職員の方に返却しにいきました。

 

 努力家の彼が07年にヤクルトからドラフト6位で指名を受けた時は、自分のことのようにうれしかったです。新人でイースタン・リーグ2位との24盗塁を記録、2年目にはイースタン・リーグで盗塁王と最高出塁の2冠を獲得し、1軍に昇格しました。その後は主に代走、守備固め要員で1軍に定着。昨年は独立リーグ出身選手としては初となるFA資格も取得しました。四国アイランドリーグ1期生の代表として、12年間、NPBで選手として活躍したことは本当に価値があると思います。

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 彼とは独立リーグの3年間、選手とトレーナーとの立場でしたが、誰よりも練習する姿を見てきました。NPBで12年間プレーできたのは、独立リーグ時代の野球への取り組み方が礎となっていることは間違いないと思います。紆余曲折に野球人生を経験、今後は指導者として野球の素晴らしさを選手たちに伝えてほしいですね。