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中村紀洋連載第27回 春季キャンプ観戦で「プロの凄さ」が分かるポイントとは

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 2月1日から春季キャンプが始まりました。プロ野球選手は自主トレから自分を追い込んでいますが、ユニフォームを身にまとうとまた一段と気持ちが引き締まります。ケガだけには気を付けてシーズンに向け、充実したキャンプにしてほしいですね。少年野球の子供たち、指導者、野球ファンの中にはキャンプを観に行く方もいると思います。今回は観戦する際にプロの凄さが分かるポイントについてお話しさせて頂きます。

 

 春季キャンプは朝から夕方まで選手の様々な練習を見ることができます。フリー打撃でサク越えを連発する豪快な打撃、キャンプ地によってはブルペンで投手の投球を見ることも可能です。私が野球に携わる子供、指導者たちに見てほしいプロの技術は守備練習の際の「足の運び」です。守備がうまい選手は打球に最短距離で反応する足の運びで、難しい打球も簡単にさばきます。現役の選手で守備がうまいと感じるのが西武の源田壮亮選手です。足の速い選手で守備範囲が広いですが、足の運びも非常にスムーズです。野球をしているアマチュアの選手たちは源田選手の足の運びを見て参考になることが多いと思います。同じ遊撃手のソフトバンク・今宮健太選手も肩の強さに定評がありますが、巧みな足の運びも守備が安定している秘訣ではないでしょうか。

 

 足が速くない選手も「一歩目」にこだわって守備をすることを心がければ、守備能力が上がると思います。私は三塁を守っていましたが、決して足の速い選手ではありません。そのため打者の打球の傾向などを頭に入れ、打球音で素早く反応するようにしていました。一歩目で打球に素早く反応できれば、足の遅さをカバーして追いつくことができます。打球は飛んできてから対応するのでなく、予測するために準備する必要があります。そのためには練習で1本でも多くノックを受けて、実戦を積み重ねるしかありません。見て学ぶことも技術向上に役立ちます。優れた選手の技術を参考にすれば上達が早くなります。打球に反応する足の運びは地味に映るかもしれませんが、プロの技術が詰まっています。グラブさばきも大事ですが、優先順位としては足の運びの後だと思います。

 

 守備は打撃と違う奥深さがあります。子供たちも興味を持って練習を積み重ねれば、どんどん上達していきます。キャンプ観戦で現地に行く方々は守備のうまい選手の足の運びに注目して観戦してみると面白いかもしれません。

中村 紀洋(なかむら・のりひろ) 1973年7月24日、大阪府生まれの45歳。渋谷高で2年夏の90年に「4番・投手」で激戦区の大阪府予選を勝ち抜き、同校初の甲子園出場に導く。高校通算35本塁打。91年にドラフト4位で近鉄バファローズに入団し、「いてまえ打線」の4番として活躍した。00年に39本塁打、110打点で本塁打王、打点王を獲得。01年も132打点で2年連続打点王に輝き、チームを12年ぶりのリーグ優勝に導く。04年に日本代表でアテネ五輪に出場して銅メダルを獲得。メジャーリーグ挑戦を経て06年に日本球界復帰し、07年に中日で日本シリーズMVPを受賞した。13年にDeNAで通算2000安打を達成。15年に一般社団法人「N’s method」を設立し、独自のMethodで子ども達への野球指導、他種目アスリートを中心にトレーニング指導を行なっている。17年には静岡・浜松開誠館高校で硬式野球部の非常勤コーチに就任。高校生の指導に力を注ぐ。