【スポンサーリンク】

元農水次官が長男殺害は「1人で死ぬべき」の風潮が起こした悲劇?

 元農林水産事務次官の熊沢英昭容疑者(76)が無職の長男・英一郎さん(44)の胸などを刺したとして殺人未遂容疑で現行犯逮捕された事件で、警視庁は3日午前に熊沢容疑者を殺人容疑で送検した。

 

 メディアの報道によると、熊沢容疑者は警視庁の調べに対し、川崎市で児童ら19人が殺傷された事件に触れ、英一郎さんが子どもたちに危害を加えることを危惧していたという供述をしていたことが明らかに。また、この日は朝から隣接する区立小学校で運動会が開かれていた。熊沢容疑者は「運動会の音がうるさい」と言う英一郎さんを注意。英一郎さんが不機嫌になるのを見て、「怒りの矛先が子どもに向いてはいけない」と感じたといい、数時間後に殺害したとされる。

 他人に危害を及ぼす前に自分の手で殺害する。その犯行動機を供述したと報道される熊沢容疑者にネット上では同情の声が多い。「殺人が裁かれなければいけない犯罪なのは重々承知の上で、今後夫婦は老いていき、先に亡くなる可能性を考え、まだ体力的に何とかなる内に自分の手で終わらせたかったとしたら、川崎の事件と我が子を重ねざるを得ない程の愚息なら選択肢としてはやむを得ないかもね。ダメなんだよ、殺したら。でも、我が子が他人を殺める前にという気持ち、情状酌量の余地はあると思います」、「表現が適切かわからないけど、父親の判断は正しかったと思う。ただ、こんな息子でも40数年前にはおぎゃーと生まれて皆が笑顔になっていた場面があったんだろうね。どこで道を間違えたのかは分からないが、言葉にならない」という意見が。

 

 一方で、NPOほっとプラス代表理事で聖学院大学人間福祉学部客員准教授の藤田孝典氏は「川崎刺傷事件が発生した直後に事件の深刻さから『一人で死ぬべき』という言説の流布は控えてほしいと緊急で呼びかけてきました。なぜなら、次への類似の事件や自殺、今回のような『ひきこもり』などを理由とした死傷事件へと結びつかないことを願っていたからです。社会に迷惑をかけるくらいなら『一人で死ぬべき』が、責任感の強い元農水次官を追い詰めていったのだと思います」とヤフーのコメント欄で指摘。「全国に『ひきこもり』と言われる方は多数いますが、当然、危険視するようなものではありません。本件のように、家庭内暴力に発展している場合にも、外部の第三者の介入を必要としている状態というだけですので、警察や保健所、精神科などへ相談してほしいと思います。これ以上、誰も殺さないでほしいです。第三者に必ず相談し、手を差し伸べてもらってください」と呼びかける。

f:id:imp0201:20190603170813j:plain
 熊沢容疑者と同じような環境に置かれた人は少なくない。このような悲劇を繰り返さないために官民の垣根を越え、社会問題として考えなければいけないだろう。