木村昇吾連載第44回 日本では報じられない 大坂なおみが豪州で与えた衝撃

 

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 木村昇吾です。プロ野球からクリケット選手に転身し、豪州のメルボルンを拠点にするプレミアリーグのチームでプレーしています。今回はテニスの全豪オープンで優勝した大坂なおみ選手が与えた衝撃についてお話しさせて頂きます。

 

 大坂なおみ選手が全米オープンに続き、全豪オープンも優勝して世界ランキング1位になる史上初の快挙を成し遂げました。テレビ中継された決勝戦は最高視聴率が関東、関西地区で38.5%を記録するなど日本中が盛り上がったと聞きました。全豪オープンが開催されたのはメルボルンだったため、現地でも衝撃は大きかったです。実はメルボルンと僕の出身地の大阪市は姉妹都市です。メルボルンの人たちは「おおさか」という発音に親近感を感じているので、今回の優勝を祝福する声が非常に多かったです。僕もメルボルンで「大坂なおみは凄い」「パフォーマンスに感動したよ。おめでとう」と多くの人に声をかけられ、同じ日本人として誇らしい気持ちになりました。

 

 アスリートとしては雲の上の方ですが、試合でメンタル面の立て直し方は勉強になる部分が非常に多いです。決勝戦を振り返ると、第2セットで勝利目前までいきながら、ポイントが取れずに逆転されました。クビトバ選手が勢いに乗り、ここから再び気持ちを立て直すのは非常に困難な局面でした。大坂選手が凄いところは第3セットまでの短時間できっちり気持ちを切り替えたことです。高いパフォーマンスでクビトバ選手を圧倒している姿を見て驚いた方も少なくないと思います。世界の頂点に立つ選手は心技体すべての面で超一流でなければたどりつけないことを強く感じさせられました。

 

 テニスは集中力を長時間保ちなければいけません。ミスをすると心が沈んだり、苛立ったりすると思います。その中で勝つ選手は苦しい展開でも冷静さを失わず、メンタル面の波が少ないように感じます。クリケットも打撃で1時間以上打ち続けることがあります。すべての投球に対して長打を打とうとすれば、ミスショットする恐れがあります。難しい球はカットして気持ちを切り替えて次の球に向けて準備をする。守備も4時間以上守る時がありますが、常に100%の集中力ではもちません。最低限の集中力を常にキープしながら、打球が来ると思った瞬間に集中力を高めるような気持のメリハリが大事です。テニスとクリケットは心の整え方で共通点があるように感じます。改めてメンタル面は非常に重要であると大坂選手に学ばせてもらいました。 

[前回の連載] 木村昇吾連載第43回 海外でプレーして体感した本田圭佑、黒田博樹の凄さとは - IMPRESSION

木村 昇吾(きむら・しょうご) 1980年4月16日、大阪府生まれの38歳。尽誠学園で3年夏に甲子園出場。愛知学院大に進学し、遊撃手でベストナインを5度獲得するなどリーグ通算打率・318、5本塁打。02年ドラフト11位で横浜に入団。07年オフに広島にトレードされ、11年は遊撃のレギュラーをつかみ、自己最多の106試合出場で37犠打をマーク。15年オフにFA権を行使したが移籍先が難航し、西武にテスト生で入団。昨年限りで戦力外通告を受け、クリケットに転身。インドのプロリーグでの活躍を目指す。あずさ夫人と子供は1男2女。 木村昇吾公式サイト(http://shogokimura.net/)