J.T.連載第35回 「外れ外れドラフト1位」で大ブレークしたヤクルト・山田哲人の凄さとは

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 「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回は前人未到の3度目のトリプルスリーを今季達成したヤクルト・山田哲人選手についてお話させて頂きます。

 

   私は09年オフにヤクルトにコンディショニング・コーディネーターで入りました。山田選手は10年のドラフト1位で入団。日本ハム・斎藤佑樹投手を抽選で外し、楽天・塩見貴洋投手も抽選で外し、「外れ外れ1位」で指名したのが山田選手でした。

 

    将来を嘱望されて高卒で1位指名されたけれども、目立った活躍ができずに戦力外になった選手を何人も見てきました。見たこともない高額の契約金を手にした影響で浮ついてしまい鍛錬することに没頭しきれなかった選手や、球団からの期待の大きさゆえに重圧を感じて自分を見失ってしまった選手…大卒や社会人卒の選手と違い社会経験が少ない分、球団の育成方針が重要であると共に選手も自分を律する高いプロ意識が求められます。

   

 山田選手は身体能力も高かったですが、メンタルコントロールも10代から超一流の選手になる資質を持ち合わせていたのだと思います。印象に残っているのは試合中のミスや挫折を味わってもつぶれずに前向きな気持ちを失わない姿勢と何に対しても真に受けてしまわない柳のような柔軟な性格です。1年目からファームで全試合出場し、クライマックスシリーズにも高卒の新人野手では初めて先発出場しました。入団当時に山田選手より身体能力の高い選手はいましたが、試合に出続けて結果を残す理由は技術が優れているだけではないように思います。自分の長所を知り首脳陣からの助言を混乱することなく理解する能力、やらされる練習でなく、目的意識を持って日々の練習に取り組んできたからこそ球界を代表する選手に上り詰めたのだと感じます。

 

 個人的にも山田選手の打席を見るとワクワクします。こんなに凄い成績を残す選手が今後現れるのかと思うぐらいの高いレベルでプレーしています。現状に満足せず、向上心旺盛な性格なので来年以降もどんな凄い数字を残すのか今から楽しみですね。

高橋純一(たかはし・じゅんいち)  1976年8月18日、神奈川県横浜市生まれの42歳。MLBサンディエゴパドレスで通訳兼コンディショニング補佐を務めた後、千葉ロッテマリーンズ、ヤクルトスワローズ、DeNAベイスターズファーム等でチーフトレーナーとして活動。17年より独立。幅広いストレングス&コンディショニング領域をアレンジ、シンプル化させ、「俺、最高。」「やってみるをかなえる。」をキーワードに老若男女問わず、自分の肉体の可能性を高め、向上していくサポートを行う。コーポレートコンディショニングという企業のトレーニング意識を変えるコーチングも担う。 J.T. STRENGTH & CONDITIONING コーポレートサイト(http://www.jt-sc.com)