J.T.連載第45回 ウェイトトレーニングに偏重したプログラムが危険な理由とは

f:id:imp0201:20181229102324j:plain


 

「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回は柔軟性を高めるトレーニングの重要性についてお話させて頂きます。

 

   プロ野球界を離れて起業したことにより、小・中学生や高校生の子供たちのトレーニングを指導させて頂く機会が増えています。その際に感じるのは予想以上に体が硬い子が非常に多いことです。10人いれば9人は体が硬いといっても言い過ぎではありません。外で遊ぶ機会の減少、携帯電話でゲームなど長時間使うことが多くなったのも原因でしょうか。股関節が硬く、猫背の子供も多いです。柔軟性が低いと全身の骨や関節が十分に機能しない状態で体の一か所に負担がかかるため、故障しやすくなります。子供に股割りをやらせると、やり方がわからない子がたくさんいることに驚きます。できないのではく、教わっていないので丁寧にやり方を説明するように心がけています。

 

 野球している子供たちは打球を遠くへ飛ばすホームランバッター、球を速く投げる投手に憧れます。そのためにウェイトトレーニング(俗にいう筋トレ)ばかり重視してしまうケースが多々あります。ウェイトトレーニング(筋トレ)も必要な要素ですが、ただ体を大きくすることに打ち込むだけでは柔軟性、しなやかさ(動き)を失ってしまいます。プロ野球選手でもパワーアップを図って筋肉を大きくすることに比重を置きすぎて失敗したケースがあります。ウェイトトレーニングで必要な個所以外に余計な筋肉がつくと体のバランスが崩れ、パフォーマンスの妨げになってしまうのです。

 

 ウェイトトレーニングや走り込みは「やった感」があるので充実した気持ちになります。一方で柔軟性や動きを高めるトレーニングは地味でなかなか効果を実感できず、手ごたえも感じられないため継続できない傾向があります。柔軟体操やストレッチ、動きに特化したトレーニングに関する知識を持ち合わせていないパーソナルトレーナーも少なくありません。指導者の責任は重要です。「このストレッチではこの筋肉が伸びるのでこういう効果がある」と明確に説明できないと、トレーニングの主旨を理解できない子供は、必要性を感じず、本気で取り組みません。

 

 私は子供たちに柔軟性や動きを高めるトレーニングを指導する講習会で親御さんにも参加してもらうように呼び掛けています。親子で一緒に取り組むことで柔軟性の重要性を感じてもらえれば、ケガをしない体づくりの第一歩になります。柔軟性は意識次第でしっかり取り組めば、誰でも確実に効果が出ます。プロ野球選手も日本を代表する選手たちは柔軟性を高めるトレーニングに多くの時間を割きます。動きの連動性があってこそ、「力」が生きることをこれからもトレーニングの指導を通じて伝えていきたいですね。

 [前回の連載] J.T.連載第44回 菊池雄星が「英語力」で示したメジャー挑戦への思い - IMPRESSION

高橋純一(たかはし・じゅんいち)  1976年8月18日、神奈川県横浜市生まれの42歳。MLBサンディエゴパドレスで通訳兼コンディショニング補佐を務めた後、千葉ロッテマリーンズ、ヤクルトスワローズ、DeNAベイスターズファーム等でチーフトレーナーとして活動。17年より独立。幅広いストレングス&コンディショニング領域をアレンジ、シンプル化させ、「俺、最高。」「やってみるをかなえる。」をキーワードに老若男女問わず、自分の肉体の可能性を高め、向上していくサポートを行う。コーポレートコンディショニングという企業のトレーニング意識を変えるコーチングも担う。 J.T. STRENGTH & CONDITIONING コーポレートサイト(http://www.jt-sc.com)