J.T.連載第30回 筋肉の鎧を身にまとった「ウェイトルームの主」の現役引退で思うこと

 

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  「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回はDeNA・加賀繁投手の引退についてお話させて頂きます。

 

 先日、加賀投手の引退試合が行われました。幾度も好勝負を繰り広げてきたバレンティン選手のメッセージは心が温まると共に、誰からも愛される加賀の人柄を象徴する素晴らしい引退セレモニーでした。私が15年、16年とDeNAのファームチーフトレーナーだった時期に時間を共にすることがおおくありましたが、彼ほどストイックな選手はなかなかいません。努力家で我慢強い。元々日本人離れした筋肉で腹筋もバキバキに割れていました。身にまとった筋肉の鎧は努力の証です。体全体に負担が掛かる投球フォームであることを自覚していたのでしょう。ウェイトルームでは徹底的に自分を追い込んでいました。彼のすごいところは力を入れながら筋肉の隅々まで意識して長時間やることです。自分で課したメニューを終えるまで絶対にやめない。一番最後までいつも残ってトレーニングしていたため、トレーナー陣は尊敬の念も込めて「ウェイトルームの主」と呼んでいました。

 

 

 加賀投手のように一切の妥協なく野球に取り組み、結果を残す選手はチームにとっても、他の選手にも大きな影響力がありました。決して多弁ではありませんが、気遣いの人で性格が優しい。チームが最下位に毎年低迷していた時代から強くなる過程を体験してきた数少ない選手です。私が16年限りでDeNAを退団する際は、「いろいろと厳しくやってくれたじゃないですか。選手に甘えがなくなって良い方向に向かっているのに…JTさんもったいないです」と声をかけてくれました。1人の裏方のことをこんなに考えてくれていたんだと驚きを覚えるとともに、感謝の気持ちで一杯になりました。

 

 現役は引退しますが、縁の下の力持ちで頑張ってきた加賀投手にしかできないことがあると思います。ゴメス(後藤武敏選手)もそうですが、将来は指導者としてグラウンドに戻ってきてほしいですね。

高橋純一(たかはし・じゅんいち)  1976年8月18日、神奈川県横浜市生まれの42歳。MLBサンディエゴパドレスで通訳兼コンディショニング補佐を務めた後、千葉ロッテマリーンズ、ヤクルトスワローズ、DeNAベイスターズファーム等でチーフトレーナーとして活動。17年より独立。幅広いストレングス&コンディショニング領域をアレンジ、シンプル化させ、「俺、最高。」「やってみるをかなえる。」をキーワードに老若男女問わず、自分の肉体の可能性を高め、向上していくサポートを行う。コーポレートコンディショニングという企業のトレーニング意識を変えるコーチングも担う。 J.T. STRENGTH & CONDITIONING コーポレートサイト(http://www.jt-sc.com)