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J.T.連載記事第41回 東京パラリンピックを目指す新星 体が動かない部分を「動かす」意識とは

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二人三脚で東京パラリンピックのメダルを目指す角田選手(左)とJ.T.(中央)


 

 「J.T. STRENGTH & CONDITIONING」の代表取締役社長として活動しているJ.T.(高橋純一)と申します。今回はトレーナーとしてサポートしている車いすフェンシング・角田成選手(29、夢真ホールディングス)についてお話させて頂きます。

 

 私が角田選手を本格的にサポートするようになったのは昨年2月からです。角田選手は5年前の事故で脊髄を損傷し、腹筋から下が動きません。私と二人三脚で取り組んでいるトレーニングのテーマは「動かない部分を動かす」です。感覚的な世界なので言葉で説明するのが非常に難しいですが、動かないところを動かす意識で取り組んで残存機能を向上させるのが狙いです。プロ野球界でトレーナーを長くやってきましたが、この作業も野球選手と取り組んできたトレーニングがベースになっています。

 

 車いすフェンシングは「ピスト」と呼ばれる装置に固定した競技用車いすに座り、上半身だけで競技します。相手を剣で突く際に数ミリの長さが勝負の分かれ目になる中で、角田選手は下半身から動かそうとする意識で剣を突いています。すると自然に手先をただまっすぐ伸ばすのでなく、肩から旋回して伸ばすような動きになりリーチが広がりました。もちろん私の役割は補助で、実力をメキメキつけたのは彼の努力のたまものです。競技歴2年ですが、今年は初の日本代表にも選出され、10月にインドネシアで開催されたアジアパラリンピック大会にも出場しました。

 

 国際大会に出てからは意識も変わりました。世界トップレベルの選手と対戦し、「自分はまだまだ」とアスリートとしてどん欲になったように感じます。私自身も角田選手から勉強させられることが多いです。当たり前に生活できることがいかに幸せか。口には出しませんが日常生活で大変な部分も当然あると思います。厳しいトレーニングにも前向きに取り組む姿には尊敬の念を抱きます。

 

 大きな目標は20年の東京パラリンピックです。もちろん出場だけでなく、メダルを獲ることです。パラリンピックに対しての認知度は年々高まっています。読者の皆さんには是非一度、試合会場に足を運んで頂きたいです。健常者、障がい者という枠を超え、一人のアスリートという視点で選手たちのパフォーマンスに魅了されると思います。