深瀬砂織連載第11回 体や精神の不調の原因はストレスだけじゃない ケガの後遺症の可能性も

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 臨床心理士の深瀬と申します。企業研修、職場環境改善などを中心に活動しています。今回は、身体疾患や、ケガの後遺症によって引き起こされる体と精神の不調についてお伝えします。

 

 体や精神の不調をストレスに拠るものと思い込んでいませんか?気分が落ち込んでいる時、意欲がわかない時、気分が悪い時、立ち眩みがする時などに、つい「ストレスがたまっているからなあ・・・」「最近、忙しいから、たぶんそのせいだ」と思ってしまっていませんか。体や精神の調子が悪い時は、身体疾病やケガの後遺症でそれが起きている可能性が考えられます。「ストレスのせいだ」とやり過ごすのは非常に危険です。

 

 気分の落ち込み、意欲の低下、吐き気、めまい、頭痛その他の身体症状は、脳腫瘍、脳梗塞、脳出血、甲状腺機能の異常、腎機能の異常、癌、認知症、その他の身体疾患でも起こり得ます。交通事故などによるケガやその後遺症が原因で、何年も経ってから体に異変が起こる場合もあります。

 

 また、不眠や過眠はストレスだけでなく身体疾患が原因でも生じます。例えば、「いくら寝ても眠くて仕方ない」「昼間、仕事で事務作業をしている最中に眠ってしまう」などの症状が、体内のどこかからの出血が増えて貧血を起こしているために生じていたり、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群が原因で生じていることがあるのです。

 

 このように、気分が落ち込む、怒りっぽくなった、イライラするなど精神的不調や睡眠の異常が身体疾患によって生じるのは決して珍しいことではありません。身体・精神に不調がある時には、「ストレスのせい」と思い込まずに、身体疾患の可能性を考えて、内科、脳神経科などの受診を検討してください。

深瀬 砂織(ふかせ・さおり) 東京都出身。臨床心理士でシニア産業カウンセラー、2級キャリア・コンサルティング技能士、キャリアコンサルタントの資格を持つ。企業の研修講師、職場環境の改善提案、経営者、人事労務担当者へのアドバイス、大学、自治体での講演など全国各地で精力的に活動している。