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交通安全教室で死亡事故…スタントマンの知られざる過酷な実態

 京都市山科区の市立勧修中学校で12日、市主催の交通安全教室中に参加していたスタントマンの中村佳弘さん(34)が3トントラックにひかれ、約7時間後に搬送先の病院で死亡した。各紙の報道によると、中村さんは歩行者役で運転手の死角に入り、事故が起きる想定でトラックの前部にぶつかった。バンパーに両手でしがみつき20~30メートル引きずられる想定だったが、バンパーから手が離れ、全身が車底部に引き込まれたという。

 

中村さんやトラックの男性運転手(38)は、京都市から委託を受けたイベント会社「ワーサル」(東京都渋谷区)が派遣していた。安全教室は同校のグラウンドで開かれ、全校生徒や地域住民ら約570人が参加していた。交通安全教室は想定外の事故で中止となった。

 

 スタント歴28年の男性は交通安全イベントで交通事故を再現するなど安全意識向上へ啓蒙活動を行っている。同業者として今回の事故は衝撃的だったことを明かした上で、スタントマンの知られざる実態を語ってくれた。「スタントマンと一口に言ってもカースタントマンやボディスタントマンの2種類があります。カースタントの経験のない者が交通安全教室で運転手役をするなどもってのほかです。歩行者役をするにしても十分な訓練を受ける必要があります」。最近は低賃金で経験の少ないスタントマンを使う会社も珍しくないため、事故の危険を感じていたという。「以前より安い相場の受注額で仕事を請け負った結果、スタントマンなどの人件費をカットする傾向があります。そうなると経験のあるスタントマンを使わなくなり、事故のリスクが高まる。これでは本末転倒です」と強調した。

 

 交通安全教室で事故現場を見た生徒や地域住民はショックが大きかっただろう。ただ、凄惨な交通事故を1つでも未然に防ぐためにも交通安全教室を行う意義は大きい。今回の死亡事故をスタント業界で重く受け止め、今後の教訓にしなければいけない。 

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