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元体操女子日本代表が、村上茉愛の世界選手権代表漏れに感じた思いとは

 横内由可と申します。アスリート時代は体操、クレー射撃と2種目で日本代表として国際大会に出場していました。今回は日本体操協会が村上茉愛選手の世界選手権代表入りへの救済案を認めなかった件ついて書かせて頂きます。

 

 東京五輪出場を目指している選手はこの時期になると、国内での日本代表入りをかけた選考試合た海外で五輪の出場枠獲得をかけた試合と気の休まることのない日々を過ごしていることと思います。我が家も東京五輪でクレー射撃の日本代表入りを目指し、選考試合に出場中の夫(横内誠選手)がいます。その遠征の際、私は生後4ヶ月の双子とやんちゃ盛りの犬の世話にてんてこ舞い。家族の安全を守り抜くという常に気を張った闘いの日々を送っているところです。夫にはとにかく悔いの残らないようにやり切って欲しいという思いがあり、私自身は一緒に目標に向かって戦えることに喜びを感じています。

 

 さて、今回の本題に入ります。日本体操協会が8日に都内で理事会を開き、村上茉愛選手の世界選手権代表入りへの救済案を認めなかったとのこと。この結論に至る経緯は、村上選手がケガのため国内選考を兼ねたNHK杯を棄権。代表入りの条件であるNHK杯12位以内という基準をクリアできませんでした。しかし、今年10月にドイツで行われる世界選手権は東京五輪の団体出場枠がかかった重要な試合ということもあり、田中光強化本部長はNHK杯後に世界で実績のある村上選手の救済を検討する考えを示していたそうです。しかし、例外は認められず、救済案は叶わない結果となりました

 

 私事ですが、体操女子で現役時代に経験したお話をさせて頂きます。私は92年のバルセロナ五輪の団体出場権をかけた世界選手権のメンバーに新人として代表入りしていました。ところが、この世界選手権で普段は失敗をしないベテラン選手が演技中に落下したりするなど、予想外のアクシデントが次々に起こり、五輪の団体出場権を落としてしまいました。想像もしていなかった悪夢に、試合後の女子チームの落胆した重々しい雰囲気は今でも忘れられません。私がこの経験から学んだことは、どんなに有能な選手でも試合では不測の事態が起こるということです。「確実」ということはあり得ないのです。したがって、もし村上選手が救済措置で世界選手権に出場したところですべてが確実にうまくいくとは言い切れません。ましてや、大会を棄権せざるを得ないほどの怪我をしているのでなおさらです。今回の救済案を認めないという結論は妥当であると感じております。

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元体操女子日本代表の横内由可さん

  このような問題は体操競技に限らず他の競技でも度々あるようです。4年に1度の五輪。日本代表の選考方法は明確、かつ、透明性のあるものであっていただきたいと強く願っています。私は元選手として、選手の家族として、そしてスポーツファンとして来年の東京五輪をとても楽しみにしております。