深瀬砂織連載第21回 復職後のスタッフにどう接したらいいの?

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 臨床心理士の深瀬と申します。企業研修、快適な職場環境づくりなどを中心に活動しています。職場復帰後の方とかかわる際に、「これは言ってはいけないかな…」、「この仕事を頼むと負担かもしれない」、「休憩時間に声をかけようか…」、「でも本人には負担かな…」など「どのように接していいかわからない」という声を聞くことがあります。今回は、職場復帰後に本人も周囲の人も安心して関わり合えるようなヒントをお伝えできればと思います。

 

  • わからないことは本人に尋ねる。確認する。

   「本人には負担かな…」、「声をかけない方がいいかな」とこちらがいくら考えても、相手がどのように感じているかはわかりません。本人に確認せずに一方的に負荷の軽そうな仕事だけを依頼したり、休憩時間に声を掛けなかったりすると、本人は大きな疎外感を抱くことがあります。特に復職後は心身ともに不安定な状態で、気分の落ち込み、自分を責める気持ちも強く出やすくなります。声の掛け方の例としては次のようなものがあります。「この仕事をお願いしてもいいですか?もし負担だったら言ってくださいね」。

何度か昼食に誘ったものの相手が断り続ける場合、「一緒に昼食をとれる時は声をかけてください。待っています」などと伝えます。これらは相手の様子を見ながら繰り返し続けます。なぜなら、体調は日々変化し、それに伴い気分も変化するからです。「1週間前までは負担だった仕事が今は苦にならない」、「先日までは人と食事するのがつらかったが、最近は時々なら誰かと一緒に食事したいと思うようになった」ということは珍しくありません。そのため、様子をみながら繰り返し声をかけます。

 

  • 基本的に、通常通り接する

  過度に気を遣うと、お互いに疲れてしまいます。自然体で、通常通り接し、わからないことは尋ねる、確認する。その繰り返しです。また、自分の言動に対して相手がどう感じたかが気になるなら、それも尋ねてみましょう。例えば「先ほど、“元気になってよかったね”と言ったけど、不快感を与えてしまいましたか?」、「“がんばっているね”と言われるのは負担かな?」、「言われるとつらいことがあれば教えてもらえませんか?」などです。これらも、相手の様子を見ながら聞いてみましょう。お互いに相手が嫌だと思うことはしない。その人が必要とする配慮をする。無理せずに、自然体で、自分のため、他者のためにできることをする。これは、病や障害の有る無しにかかわらず誰もが互いに心がけたいことです。

[前回の連載] 深瀬砂織連載第20回 意外な対処法?「悪口を言いふらす人との付き合い方」 - IMPRESSION

 

深瀬 砂織(ふかせ・さおり) 東京都出身。臨床心理士でシニア産業カウンセラー、2級キャリア・コンサルティング技能士、キャリアコンサルタントの資格を持つ。企業の研修講師、職場環境の改善提案、経営者、人事労務担当者へのアドバイス、大学、自治体での講演など全国各地で精力的に活動している。